1933年8月30日、アルゼンチンのブエノス・アイレス生まれ。5歳から音楽をエンリケ・バレンボイムに学び、後にベルタ・スホヴォルスキーに師事。アルゼンチンでオーケストラのピアニストとしてソロ活動をスタート、ヴァイオリニストのアルベルト・リシーやいくつかの室内楽団との合奏も行った。一方ではラテン・アメリカのポピュラー音楽を研究したりコロンビアのテレビ・ラジオ放送の仕事も手がけた。 のちヨーロッパへ渡り、スペイン、フランスを経て1958年イタリア、ローマに移住。当初は映画音楽のレコーディングの仕事に携わるが、ベテラン作曲家ジョヴァンニ・フスコの紹介で1960年クラウディア・カルディナーレ主演映画「鞄を持った女」の主題歌アレンジの仕事を得、それが大ヒットとなった事から発売元のRCAと契約、ジャンニ・モランディやセルジオ・エンドリゴなど人気カンツォーネ歌手たちのアレンジャーとなる。映画音楽の第1作は1960年マリオ・アメンドーラ監督作品「La banda del buco」からで、以降カトリーヌ・スパーク主演の「禁じられた抱擁」(1963年)や「奇跡の丘」(1964年パゾリーニ監督)などの作品を担当、そして彼は当時ブームとなりつつあったマカロニ・ウェスタンから本領を発揮していく。特に1966年のセルジオ・コルブッチ監督の快作「続荒野の用心棒」やダミアーノ・ダミアーニ監督のメキシコ革命劇「群盗荒野を裂く」(1966年))で展開される荒々しく開放的かつ乾いたラテン・サウンドが紡ぐオーケストレーションは、バカロフ独自のもので、この作風は以降のマカロニ作品や社会派サスペンス「悪い奴ほど手が白い」(1967年)、フェリーニ監督の「女の都」、ディアヌ・キュリー監督の「女ともだち」などの作品群に活かされている。
1995年、バンドネオンの響きを活かした「イル・ポスティーノ」により米アカデミー作曲賞を受賞。
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1983 COUP DE FOUDRE 女ともだち
France LP General Music 803.044
第2次大戦を背景に、愛のない平凡な結婚生活を送る女性2人が知り合い意気投合、やがて友情が精神的な愛に深まっていく。女性の自立を描いたディアヌ・キュリス監督作品。フランスの二大女優ミュウ=ミュウとイザベル・ユペールが主演。 落ち着いた雰囲気のピアノ曲「Madeleine et Lena」と「Le regard」、ノスタルジックなスウィング・バンド曲「Joli blues」、コミカルなリズムが印象的な「Oh, les mimes」など、ピアノ中心の小編成オーケストラが、ノスタルジックかつセンチメンタルな心地よい雰囲気を醸し出している。バカロフが洗練されたヨーロッパ・サウンドと彼独自のラテン風スタイルをミックスさせた佳作。
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1967 A CIASCUNO IL SUO 悪い奴ほど手が白い
Italy 45 Parade PRC 5029
シシリー島で起こった2人の男の射殺事件、その調査に乗り出した教授は、事件の背後に政治的陰謀をかぎつけるが... 社会的問題作を好んで取り上げるエリオ・ペトリ監督が、イタリア、シシリー島を舞台に描いた社会派サスペンス。 ジャン・マリア・ヴォロンテ、イレーネ・パパス、ガブリエレ・フェルゼッティという渋いキャスティング。 オープニング、シシリー島の景観にピアノをバックにストリングスが奏でるメロディーは美しく哀しい。 また随所で使われるテーマのサンバ・アレンジが、ハモンド・オルガンと切れのよいリズムで秀逸の出来である。バカロフのメロディー・メーカーとしての特質が十二分に生かされた傑作。
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1966 QUIEN SABE ? 群盗荒野を裂く
Italy LP Parade FPR (S) 312
20世紀初頭のメキシコ革命を舞台に、粗野で学はないが、情に深く仲間の信頼も厚い群盗団の首領チュンチョと、ふとした事から仲間に加わった謎めいたアメリカ人の若者との心のふれあいをアクション・シーンを交えながら描いたダミアーノ・ダミアーニ監督による革命ドラマで、原題の意味「なぜ殺すんだ?」はラスト・シーンに生かされている。 ハープの優雅なイントロから男声コーラスが革命軍の心意気を表す主題曲「Ya me voy」が秀逸。またストリングスとギターが静かにそしてドラマティックに音を鳴らす「La fucilacion」、トランペットを中心にオーケストラが陽気にリズミカルに鳴らす「Fiesta en San Miguel」、アクション・スコアの極致「Al tren !」など、バカロフはギター中心にオーソドックスなオーケストレーションを展開、本格的なメキシカン・スコアを完成させた。
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1966 DJANGO 続荒野の用心棒
Italy LP Intermezzo IMGM 002
元南軍の残党グループとメキシコ革命軍一派が対立するメキシコ国境近くの町に、棺桶を引きずりながらふらりと現れた腕利きのガンマン、ジャンゴが苦闘の末に両グループを倒すまでを描いたフランコ・ネロ主演のマカロニ・ウェスタン。雨と泥だらけの町、アンチヒーロー、女性の鞭打ち、残酷なリンチなど、セルジオ・コルブッチ監督は綺麗事を廃したリアルな設定と意表をつく演出を見せた。 陰気な町の物憂い雰囲気を絶妙に表した「Blue dark waltz」、陽気な男声ヴォーカルがからみメキシカン音楽の軽快なリズムが楽しい「El pajarito」、様々なリズムが絡み合う絶妙のアクション・スコア「Vamonos muchachos!」などラテン・アメリカ音楽の造詣が深いバカロフ独特の乾いたオーケストレーションが光る。主題歌を歌うロベルト・フィアのヴォーカルもいい。
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