usukfilmsroom

li_mu_v.gif

oneeyedjacks.jpg1960 ONE EYED JACKS  片目のジャック

 マーロン・ブランドが監督に進出した第1作の西部劇。1880年のメキシコを舞台に、銀行強盗の2人組、リオとダッドの裏切りと復讐の物語に、ダッドの妻の連れ子ルイザとリオとの悲しいラブ・ストーリーを絡ませた重厚なドラマ。アクションよりも心理やシチュエーションに焦点を当てている。
 ハリウッドの巨匠ヒューゴー・フリードホーファーによるスコアは、派手さを抑えつつ心理や状況が醸し出すムードを十分に高めていくもので、彼にとっては会心の出来であろう。特にストリングスによる愛のテーマの美しさは必聴。 フリードホーファーは、1901年サンフランシスコ生まれ。13歳でチェロを学び、のちに市民交響楽団のチェロ奏者となる。19歳で結婚し、22歳で子をもうける。音楽を仕事と決め、サイレント映画の楽士や劇場、舞台音楽の仕事を得るが、1929年、トーキーの誕生がきっかけでハリウッドへ。20世紀フォックスの音楽監督であった友人ジョージ・リップシュルツの助けでフォックス・スタジオで映画音楽の仕事を得、これが映画音楽キャリアのスタートとなった。 当初彼の力量が本格的に認められるのは主に編曲やオーケストレーションの分野で、特にワーナーへ移ってからの活躍はめざましいものがあり、当時の巨匠作曲家であったE・W・コルンゴルトやマックス・スタイナーのもとで、「海賊ブラッド」や「進め竜騎兵」など100本以上の作品を担当している。
 映画音楽作曲のデビュー作は1938年の「マルコ・ポーロの冒険」で、1946年のウィリアム・ワイラー監督による戦後ドラマ「我等の生涯の最良の年」で実力を発揮してアカデミー作曲賞を獲得。以降1940年代から1960年代前半まで数々の名作、傑作を手がける。主なものではクリスマス音楽の「気まぐれ天使」、イングリッド・バーグマン主演「ジャンヌ・ダーク」、レオ・マッケリー監督のラブ・ストーリー「めぐり逢い」、ヘミングウェイ作品の映画化「陽はまた昇る」などが挙げられる。1981年ロサンジェルスにて没。
<Discography>
1961 U.S.A. LP Liberty LOM-16001 (mono) / LOS-17001 (stereo)
1961 France LP London HA-G. 20.005
2010 U.S.A. 2CD Kritzerland KR20016-6 (Album presentation & Complete score)

li_mu_v.gif

murderorientexpress.jpg1974 MURDER ON THE ORIENT EXPRESS  オリエント急行殺人事件

 名探偵エルキュール・ポワロが「灰色の脳細胞」を駆使して密室殺人を解決する、アガサ・クリスティー女史の名作ミステリーを、シドニー・ルメット監督がオールスター・キャストで極上の推理ドラマに仕上げた。名探偵ポワロに扮したアルバート・フィニー以下、イングリッド・バーグマン、ショーン・コネリー他名優たちの競演が楽しめる。
 音楽担当のリチャード・ロドニー・ベネットは、名作ミステリーの開幕を華麗に演出するかのような重厚なオーケストラの序曲、列車の動きをワルツ調で表現した「The Orient Express」、不安感をあおる曲調の「The Murder」など、1級のミステリー・スコアに仕上げている。ベネットは1936年イギリス、ケント州の生まれ。音楽評論家であった母の影響を受け王立音楽院を卒業後、パリでピエール・ブレーズに師事し、ジャズや現代音楽の洗礼を受ける。イギリス伝統の作曲技法から現代のアヴァンギャルド音楽までこなす才人で、映画音楽は1957年の「Song of the Clouds」から。代表作は、本作以外にジョン・シュレシンジャー監督の文芸大作「遥か群集を離れて(1967年)」やフランクリン・J・シャフナー監督の歴史ドラマ「ニコライとアレクサンドラ」など。
<Discography>
1974 U.K. LP EMI EMC 3054
1974 Italy LP EMI 3C064-81778
1974 U.S.A. LP Capitol ST-11361
2003 U.S.A. CD DRG 19039

li_piano.gif